黒澤明 関連作品
アラスカの刑務所から、二人の囚人が脱獄。貨物列車に乗り込むが、機関士の急死によって誰も止められない暴走機関車と化す。...黒澤 明監督が、初のハリウッド進出に向けて準備を進めていたが、結局実現しなかった幻の企画。二十年近くを経て、この黒澤脚本をもとに映画化された。
この黒澤版『暴走機関車』のキャンセル劇は、詳細が明らかになっていない部分が多いですが、ある程度推察することはできます。
☆ 脚本・演出・編集、全てを自分が仕切って映画作りをしていた黒澤監督。
一方、アメリカの映画製作はプロデューサー中心。下準備が殆ど整ってから監督が登場するシステムになっていて、発言権があまりないんですね。
しかし黒澤明という人は、映画制作のシステムが違うからといって、容易に妥協するような映画監督じゃなかった!。逆に妥協してしまうような映画監督なら、映画史に残る巨匠にはなっていなかったでしょう。
『トラ・トラ・トラ!』の監督解任劇にしても、そうした黒澤監督の頑固な姿勢が障壁の大きな要因になったようです。
参考書籍:『黒澤明vs.ハリウッド』
☆
あ、随分話がそれてしまいました(^^ゞ。で、このアンドレイ・コンチャロフスキー版『暴走機関車』ですが、果たして原案の黒澤&菊島脚本をどこまで再現しているのか?。
その辺については、「良い映画を褒める会。」さんの記事に詳しく書かれています。ご参照ください。
→ 黒澤明版シナリオ『暴走機関車』(1966)挫折した、男だけが登場する武骨な作品。
結論から言って、全く違う作品になってしまったようです。
そうした先入観は抜きにして、この映画を観るとしたら...
「雪景色と暴走機関車」の映像が鮮烈に印象に残る、ちょっと一味違うアクション・スリラー映画、といった感じ。でも途中、女性乗務員が登場し、ラブロマンス風の展開をみせる辺りは、取って付けたような不自然さを感じました。と思ったら、やはり原案の脚本にはなかったんですね。
さすがに2000万ドルの巨費を投じた、というだけあって、雪原の中を暴走する巨大機関車のスピード感と迫力は、なかなかのリアリティで観る者に迫ります。
そして何やら荘厳なる雰囲気を漂わせながら、シェークスピアの引用で締めくくるラスト。黒澤監督へのオマージュでしょうか?
娯楽作品としては、かなり上級の部類に入る映画だと思います。でもやはり同じアクションを撮るのでも、黒澤監督ならもっと工夫を凝らしたでありましょう。何より表現の重厚さ(豊かさ、深み)が違ってたでしょうね。
っと、それをいってみたところでどうにもなりません(^^ゞ。二十世紀不世出の映画監督・映画作家黒澤明のハリウッド進出は、日本映画の尊厳を賭けた戦いでもありました。しかし映画制作システムのギャップは思いのほか深く、最終的には芸術家としての良心に勝てなかった(?)のだと思います...

『暴走機関車』 (Runaway Train) 1985年 米 111分
【監督】アンドレイ・コンチャロフスキー 【原案】黒澤 明、菊島隆三
【出演】ジョン・ボイト、エリック・ロバーツ、レベッカ・デモーネイ、ジョン・P・ライアン
Amazonを参照する
この黒澤版『暴走機関車』のキャンセル劇は、詳細が明らかになっていない部分が多いですが、ある程度推察することはできます。
一方、アメリカの映画製作はプロデューサー中心。下準備が殆ど整ってから監督が登場するシステムになっていて、発言権があまりないんですね。
しかし黒澤明という人は、映画制作のシステムが違うからといって、容易に妥協するような映画監督じゃなかった!。逆に妥協してしまうような映画監督なら、映画史に残る巨匠にはなっていなかったでしょう。
『トラ・トラ・トラ!』の監督解任劇にしても、そうした黒澤監督の頑固な姿勢が障壁の大きな要因になったようです。
参考書籍:『黒澤明vs.ハリウッド』
あ、随分話がそれてしまいました(^^ゞ。で、このアンドレイ・コンチャロフスキー版『暴走機関車』ですが、果たして原案の黒澤&菊島脚本をどこまで再現しているのか?。
その辺については、「良い映画を褒める会。」さんの記事に詳しく書かれています。ご参照ください。
→ 黒澤明版シナリオ『暴走機関車』(1966)挫折した、男だけが登場する武骨な作品。
結論から言って、全く違う作品になってしまったようです。
そうした先入観は抜きにして、この映画を観るとしたら...
「雪景色と暴走機関車」の映像が鮮烈に印象に残る、ちょっと一味違うアクション・スリラー映画、といった感じ。でも途中、女性乗務員が登場し、ラブロマンス風の展開をみせる辺りは、取って付けたような不自然さを感じました。と思ったら、やはり原案の脚本にはなかったんですね。
さすがに2000万ドルの巨費を投じた、というだけあって、雪原の中を暴走する巨大機関車のスピード感と迫力は、なかなかのリアリティで観る者に迫ります。
そして何やら荘厳なる雰囲気を漂わせながら、シェークスピアの引用で締めくくるラスト。黒澤監督へのオマージュでしょうか?
娯楽作品としては、かなり上級の部類に入る映画だと思います。でもやはり同じアクションを撮るのでも、黒澤監督ならもっと工夫を凝らしたでありましょう。何より表現の重厚さ(豊かさ、深み)が違ってたでしょうね。
っと、それをいってみたところでどうにもなりません(^^ゞ。二十世紀不世出の映画監督・映画作家黒澤明のハリウッド進出は、日本映画の尊厳を賭けた戦いでもありました。しかし映画制作システムのギャップは思いのほか深く、最終的には芸術家としての良心に勝てなかった(?)のだと思います...
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『暴走機関車』 (Runaway Train) 1985年 米 111分
【監督】アンドレイ・コンチャロフスキー 【原案】黒澤 明、菊島隆三
【出演】ジョン・ボイト、エリック・ロバーツ、レベッカ・デモーネイ、ジョン・P・ライアン
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